バックテスト

バックテスト用のヒストリカルデータはここで決まり!【FXDD vs Dukascopy vs Alpari】

バックテストをしたいけれど、どの会社のデータをダウンロードしたらよいか分からない方へ

FX業者と契約したものの、古いヒストリカルデータが提供されておらず、どこからダウンロードしようか迷っていませんか。システムトレードのメリットでも解説したとおり、バックテストをしなくては何も始まりません。しかしながら、信頼性の高いデータでバックテストを行わないことには、そのメリットも半減してしまいます。

本記事では、各社が提供しているヒストリカルデータについて特徴を説明します。最初にネタバレしてしまうとAlpari一択です。

FXDD登録不要で手軽にダウンロード

「MT4 ヒストリカルデータ」で検索すると一番多く出てくるのはFXDD社のヒストリカルデータの情報なので、使用している人も多いのではないでしょうか。

FXDD社の特徴としては以下があげられます。
1-1. 登録が不要
1-2. データの信頼性にかける
1-3. バックテストしてみると

1-1. 登録が不要

FXDD社は会員登録等不要でデータをダウンロードすることができます。

FXDDのサイトから直接データをダウンロードできるため、他社と比べるとデータにアクセスするまでが早く、情報が多くなるのもうなずけます。名前や住所をいれて、メールがバンバン届いたりすると面倒ですよね。その点では本当に太っ腹な運用だと思います。

1-2. データの信頼性に欠ける

面倒がないのはいいのですが、残念ながら異常なデータが含まれていることがあります。

実際にチャートを眺めていると分かるのですが、明らかに異常なデータが含まれていたり、抜けていたりするデータが有ります。


こちらのチャートはFXDDよりダウンロードして表示したデータになります。2013年4月1日の7時ちょうどのUSDJPYのデータです。83円台で推移していた値が突如80円台になっています。そして、一分後にはまた値を戻しています。こういったデータの他に日曜日なのに値が入っていたり、データが歯抜けになっているという問題があるようです。

1-3. バックテストしてみると

このデータでバックテストとしてしまうとシステムのパフォーマンスを正しく評価できません

存在するはずのない値段によってシステム成績が現実と乖離することがあります。例えば毎回10pipsを損切り幅として使っていたのに、急に300pipsも動いてしまったらシステムの評価に致命的ですよね。


実際にあるシステムを上記の期間を含んでバックテストしたものになります。ナンピンなどはいれておらず、毎回同じpips数でロスカットされるシステムのはずが、一度の取引で異常な損をしている場所があります。実はこの部分はさきほど示した2013年4月1日に取引したことによって生じた損失です。実際にこのような損益曲線を見れば異常な取引があることや、その異常な取引が行われた時間に異常なデータが含まれていることを確認できます。しかしながら、最適化をかけた時などは損益値やドローダウンなどの数字しか表示されず、異常な取引があったことにさえ気づかず負けシステムとして廃棄してしまう可能性があります。最適化データをひとつずつ損益曲線で見るわけにもいかないので、このヒストリカルデータを用いてバックテストしない方が賢明です。

Dukascopyティックデータも揃える詳細な値動き

Dulascopy社はスイスに本社を置く老舗で、リアルティックデータがとれることから一部のファンから熱烈に支持されています。

Dukascopy社の特徴としては以下があげられます。
2-1. ティックごとのデータがとれる
2-2. 出来高が不自然
2-3. バックテストの時間がかかる

2-1. ティックごとのデータがとれる

Dukascopy社はリアルティックを提供しています。また、ティック値だけではなく、Ask値など多彩なデータが取得可能であり、超短期間で売買するスキャルピングをする人たちからは絶大な支持を集めています。

通常のヒストリカルデータでは1分足の情報はその1分の始値、高値、安値、終値、出来高の5つの要素しか持っていません。当然ながらその一分足のなかでも値段が次々と動いているのですが、そのデータは省略されてしまいます。Dukascopではその1分の中のデータを補完することができるようなティックデータを提供しています。

2-2. 出来高が不自然

しかしながら実際に1分足をダウンロードすると出来高が不自然に多いことが分かります。


こちらが実際にヒストリーセンターで確認したデューカスコピーからインポートした1分足のデータにります。2007.08.02 07:06のデータでは出来高が約6000になっています。これは1秒に1000回ティック値が動いているということであり、1ms毎に値が更新されていることになります。本当にそんなに頻繁に更新されるものなのか信頼性に疑問が残ります。また海外のフォーラムでは、ボリュームがダウンロードする時期によって変動するので、人工的に挿入しているものではないかという指摘もありました。

2-3 出来高が多いとバックテストに時間がかかる

では、出来高を用いないシステムをバックテストする時は問題ないのかというと、そうとはいえません。

MT4は出来高から擬似ティックを生成しているため、出来高が多ければ多いほど疑似ティックを生成し、その疑似ティック毎にプログラムを動かします。少し処理に時間がかかるようなプログラムだと、バックテストに何倍もの時間がかかってしまいます。

実際に先程FXDDでバックテストを行ったシステムを使ってDukascopyのデータでバックテストを行うと、1時間24分かかります。FXDDのデータには欠損があるとはいえ、23分で終わるので、その差は4倍になります。これほど重いシステムはそうそうないかもしれませんが、例えばパラメータを変えて検証しようと思ってもこんなに時間がかかっては満足な最適化はできないと思います。

Alpari最も攻守に優れたヒストリカルデータ

最後にAlpari社を紹介します。データの信頼性や導入の簡単さなどから私のイチオシとなっています。

Alpari社の特徴としては以下があげられます。
3-1. データに安心感がある
3-2. 導入が簡単

3-1. データに安心感がある

私が実際にバックテストを繰り返しているところ、異常値などは見つからずデータに安心感があります。

これは私の経験に過ぎませんが、Alpariでデータを確認するとFXDDのような異常値がでていたり、Dukascopyのような異常な出来高がはいっていたりということはありません。実際にバックテストをしてみると時間もかからず、損益グラフが大きくへこんだり、とがったりするということもありません。

3-2. 導入が簡単

また、登録が必要なものの、登録してしまえば簡単にデータが導入できます。

Alpari社はデモ口座登録でMT4を使用することができ、ヒストリカルデータをヒストリーセンターから直接ダウンロードできます。

他社でヒストリカルデータをダウンロードすると、そこからMT4にインポートするという作業が必要です。慣れればそんなに難しいことはないのですが、最初にダウンロードしてしまったデータを消去したり、1分足をダウンロードしてから5分や1時間等、各足の長さに変換したりしなくてはなりません。一方で、Alpariはヒストリーセンターのダウンロードボタンを一回押すだけで、その通貨の各時間足を使用することができるようになります。

バックテストで使用するヒストリカルデータまとめ

それでは、バックテストで使用するヒストリカルデータの特徴についてまとめます。FXDD社は提供している1分足データについて信頼性が乏しく、また足の抜け自体も頻繁に見られます。Dukascopy社は一分足の値データに関して安心感はあるものの、異常な出来高値によりバックテストの時間が著しくかかるようになっています(原因となる擬似ティックについて記事を書きました)。Alpari社は登録が必要なものの、データに安心感があり、MT4から一発でダウンロード可能なので、バックテストはアルパリ社のMT4を使って行い、よいシステムができたら、自分が実際に使っている業者の口座で稼働させるというのがよいのではないでしょうか。
実際にAlpaliで登録してヒストリカルデータを取得するまでの解説記事を書きました。あわせてぜひご覧ください。

-バックテスト