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【保存版】MT4のテストレポート完全解説

テストレポートに書いてある値はなんとなーく意味はわかるけれど、しっかりと理解しているわけではないという状態になっていませんか?

MT4は日本語で表示もしてくれるので、なんとなく意味がわかって満足してしまいがちです。
バックテストの方法の記事で軽くしかふれられなかったテストレポートの値についてすべて解説します。

この記事でしっかりと計算の仕方を理解して、ライバルたちより一歩進んだ考察ができるようになりましょう。

1. テストレポートを見ればシステムの善し悪しがわかる

バックテストをした後に必ず見ることになるであろうテストレポートは情報の宝庫です。

システムを評価するのは大変難しい作業です。
大抵は良いところもあれば悪いところもあるからです。

自分のシステムの弱点はどこか、どういう改良をしたら強くなるかなど、たくさんのヒントが散りばめられています。また、EA購入時の確認にも役立つと思います。

激しいドローダウンがあるけれどもすごい利益をだす可能性があったり、コツコツ安定して稼ぐけれどもパッとしない利益率だったりと、システムごとに特徴があります。
これらの特徴についてレポートを見れば傾向が分かります。

2. テストレポートの数字の意味

では、実際にテストレポートを見ていきましょう。レポート値は左上から順に紹介していきます。

テストバー数
実際にテストに使用したバーの数です。
当然ながら、同じ期間でも時間足が短くなると増えます。とても少ないバー数だったらヒストリカルデータがダウンロードできていない可能性を疑ってみてください。

モデルティック数
実際にテストに使用したティックの数です。
MT4はティックデータを保存しないため、擬似的なティック値を1分足の値とそのボリュームから作成します。そのようにに作られたティック値の数を表示しています。

モデリング品質
モデリング品質は1分足では25%、5分足以上では90%が最高値になります。
疑似ティックを用いているため100%にならないのは分かるのですが、それがなぜ25%や90%といった値になるかの根拠に乏しく、メタクオーツ社が勝手につけた値と考えてもよいでしょう。
しかし、25%または90%になっていないレポートには注意してください。ヒストリカルデータの一部が欠損している可能性があります。

不整合チャートエラー
ヒストリカルデータにはそれぞれ1分足や5分足のデータが格納されています。
例えば1分足5本あわせた中での高値と安値は、5分足の高値と安値に一致しなければおかしいですよね。
そういった短い足と長い足で整合性の取れないチャートが出現した時に不整合チャートエラーが表示されます。エラー0のレポートがよいバックテストの証です。

ヒストリカルデータを取得する記事で示した方法でヒストリカルデータを取得するとモデリング品質や不整合チャートにエラーは出ないので安心してください。

初期証拠金
自分が最初に口座に入れる証拠金の量です。
ここの値によってこれ以降にでてくる値が大きく変わるものもあります。
100万円とかなら分かりますが、100億円など非常識な値をいれているレポートには注意してください。不当にバックテストの値をよく見せかけている可能性があります。

スプレッド
バックテストした際のスプレッドを表示しています。
本来スプレッドは取引会社の提示額によって変動するもので1pipsの時もあれば急変時には5pipsもひらく時もあるといった具合です。しかしながら、バックテストでは固定値しか設定できません。
スプレッド値を0などにして現実的ではない値をいれたシステムは、バックテストで勝っていたとしても、現実ではスプレッド負けをしてしまう可能性が高いです。

純益
トータルでどれだけ儲かった、または損をしたかという値です。
純益の大きさは初期証拠金に依存するので、初期証拠金で割返して考えましょう。
100万円の初期証拠金で100万円の純益を手にするのと、1億円の初期証拠金で1億円の純益を手にするのは同じパフォーマンスであるというこです。

総利益
勝ちトレードのトータル金額です。これ単体で意味を見出すのは難しいです。

総損失
敗けトレードのトータル金額です。これ単体で意味を見出すのは難しいです。

プロフィットファクタ
総利益を総損失で割ったものです。
プロフィットファクタが2なら総利益は総損失の2倍になっているはずです。もちろんこれが1を割り込んでしまうと負けるシステムということになります。
リスクとリターンをはかる上でよく使われる指標になります。高いほどいいのですが、あまりにも高すぎるとパラメーターの過剰最適化の可能性がでてきます。

期待利得
一回のトレードあたりどれくらいの利益が見込めるかが分かります。
単に純利益をトレード数で割った値です。ロット数が変わるシステムだと、ロット数によって大きく期待利得もばらつくので、あまりよい指標とはなりません。

絶対ドローダウン
初期証拠金から考えてどれくらいまでお金が減ったかをあらわします。
100万円が90万円になれば絶対ドローダウン10万円ですが、100万円が200万円になって150万円になっても絶対ドローダウンは0円です。
テストを初めた時期に大きく左右されるため、あまりよい指標とは言えません。

最大ドローダウン
最高資産から最低資産を引いた最大値が最大ドローダウンです。
またカッコ内はその時の資産の減少の割合を%であらわしています。
複利で運用するシステムなどは資金とロットが増えてきたテスト後半が過大に評価され、これだけでは正しくリスクを評価できません。

相対ドローダウン
最高資産と最低資産の比がもっとも大きくなるのが相対ドローダウンです。
こちらも金額と割合が併記されていますが、割合のほうに注目してください。自分の資産がどれだけ減るかを考えることが出来ます。
通常ドローダウンと言うときには、この値を指していると考えていいでしょう。
20%以内ならギリギリ精神が耐えられる限界だと巷では言われていますが、その人のリスク許容度次第です。

総取引数
どれだけトレードを行ったかが分かります。
1年間で10回など明らかに少なすぎるトレードや1万回以上など多すぎるトレードは、バックテストでうまくいっても、リアルトレードでは大失敗をする可能性があります。
トレード手法がスキャルピングなのかデイトレードなのか等もこのトレード数から考えることが出来ます。

売りポジション(勝率%)
トレードで売りポジションを持った回数です。
また売りポジションのうち勝ったトレードの割合が何%になるかを確認できます。
買いポジションとあわせて確認すると、売り買いどちらにトレードが偏っているか、またどちらの方が勝率が高いか等が分かり、片方に偏って勝率がでているのであれば、思い切って仕掛けを売りか買いのどちらかに戦略をしぼることでドローダウンやプロフィットファクタが改善します。

買いポジション(勝率%)
トレードで買いポジションを持った回数です。
買いポジションのうち勝ったトレードの割合が何%になるかを確認できます。
売りポジションとあわせて確認すると、売り買いどちらにトレードが偏っているか、またどちらの方が勝率が高いか等が分かり、片方に偏って勝率がでているのであれば、思い切って仕掛けを売りか買いのどちらかに戦略をしぼることでドローダウンやプロフィットファクタが改善します。

勝率(%)
総トレードのうち勝って終わったトレードの割合を示しています。
高勝率のスキャ系か逆コツコツドカンのスイングか等が判別できます。
また、勝率が100%のシステムは過剰最適化の可能性が高く、おすすめできません。

敗率(%)
総トレードのうち敗けて終わったトレードの割合を示しています。
高勝率のスキャ系か逆コツコツドカンのスイングか等が判別できます。
また、敗率が0%のシステムは過剰最適化の可能性が高く、おすすめできません。

最大勝トレード
勝ちトレードで得た最大金額です。複利では後半が多くなるため参考にはなりません。

最大敗トレード
敗トレードで失った最大金額です。複利では後半が多くなるため参考にはなりません。

平均勝トレード
勝ちトレードでの平均利益額です。複利では後半が多くなるため参考にはなりません。

平均敗トレード
敗けトレードでの平均利益額です。複利では後半が多くなるため参考にはなりません。

最大連勝(金額)
連続で増えた最大の金額です。複利では後半が多くなるため参考にはなりません。

最大連敗(金額)
連続で減った最大の金額です。複利では後半が多くなるため参考にはなりません。

最大連勝(トレード数)
連続で勝ったトレード数を表しています。
10勝→1敗→10勝と繰り返した時の最大勝数が10になってしまうので実質的な連勝や連敗を考えることは出来ません。

最大連敗(トレード数)
連続で敗けたトレード数を表しています。
10敗→1勝→10敗と繰り返した時の最大敗数が10になってしまうので実質的な連勝や連敗を考えることは出来ません。

平均連勝
連勝数の平均をあらわしています。一度トレンドに乗ると連勝を続けるようなシステムの時は、大きな数字になります。
連勝や連敗が続くようなシステムならば、トレードの開始や中止を考える際に使うことが出来るかもしれません。

平均連敗
連敗数の平均をあらわしています。一度トレンドからはずれると連敗を続けるようなシステムの時は、大きな数字になります。
連勝や連敗が続くようなシステムならば、トレードの開始や中止を考える際に使うことが出来るかもしれません。

レポートを見ることはEAの大きな判断材料になります。
それだけにレポート詐欺には気をつけてください。レポート詐欺の記事

また、このレポートだけじゃ物足りない。
もっと詳しく分析したいという方は、Quant Analyzerを使ってみてください。
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